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収縮と縮小のスタート2 [経済]

福島原発事故をきっかけとして脱原発意識が高まっていますが、国民生活の安心安全が求めらる
一方でその裏返しとして発電能力は制約されてしまいます。

節電による電力消費減少で国内生産力は収縮し、法人個人の民間消費支出もケチケチモード
で縮小に向かうことが考えられます。普段、節約したくても社交上できなかった出費や
お付き合い的取引などはここぞとばかりに、削減カットの対象になるでしょう。

一時的に東日本大震災の復旧復興需要で経済活発化することになるわけですが、その後
収縮と縮小した小振りの日本経済市場が出現することになると予想されます。
消費は美徳だなどと言っていた昭和の頃が懐かしいですね。

もっとも、中国ではこれから設備投資と輸出中心の経済成長から消費を主力エンジンに
した経済成長に転換されそうですから、まさに消費は美徳といった時代がやってくるのかも
しれません。

企業も円高と国内市場の停滞で海外シフトを促進させようとしており、国内雇用と設備投資需要は
ますます減少しそうな気配です。
このような情勢で貿易収支は減少ないし赤字となり、潜在成長率は低下しGDPは一向に
伸びない成熟国になっていくのでしょうか。

復興需要では根本的な需給ギャップを埋めることもできず、企業はこのような将来を見越して
企業の集約活動を活発化しているようです。新日鉄住金の統合や日立三菱重工の統合話等
経営効率化や人員削減に向けて収縮縮小化のファーストステップがあちこちに見られるように
なってきました。

それにしても、経済活動の基本を考えた時、哲学者である萱野稔人氏の化石燃料が19、20世紀
の世界の経済成長を促し、それは人類史上ものすごい発展であったという解説に感銘
しました。

近時、原発問題に直面し再生可能エネルギーがクローズアップされていますが、同氏の
見解によれば、原油などの化石燃料も何億年という年月をかけて太陽というエネルギーに
よってストックされたものに変わりなく、現在焦点となっている太陽や風力エネルギーと
根っ子は同じなのだというものです。

そして、その出力からすれば、このような再生可能エネルギーは化石燃料に比べれば
何分の一程度に過ぎず代替物とはなりえない。また、太陽や風力は発電にしか使えず
鉱物から鉄を作り、また化学生成物を作ることもできないばかりかこのようなエネルギー
を利用するために必要な蓄電池などは膨大な化石燃料を使って作られる。

即ち、再生可能エネルギーに補助的な意義はあっても化石燃料を凌駕するような
機能はなく、それは原子力でも同様だとしています。

このことから、化石燃料を中核とした経済成長は先進国においてフルアップ状態に近づき
つつあり低成長を余儀なくされ、一方途上国においては、この化石燃料を主体とした
発展が天井を打つまでは先進国がこれまで経験したような発展を望めそうという
ことになるようです。

グローバル経済はこのように変化進展していくように思えてなりません。

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