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財政再建シナリオと市場の動き [経済]

三菱モルガンスタンレー証券の6月10日リポートで財政再建シナリオを
描いています。

慎重型政策シナリオでは、デフレ脱却政策は無し
                社会給付の抑制は無し
                増税はある程度実施されるも税収増につながらず
                社会保障関係費はさらなる増大
                チビチビ歳出削減で財政赤字はさらに悪化
                生産性の伸び率もそれほど進まず
                高齢者厚遇の選挙制度は改革進まず
                
         その結果、財政赤字は拡大しデフレも悪化
               名目GDPはますます縮小し、財政持続は不可能へ
               企業の海外シフトは加速、経常黒字は消滅
                国内貯蓄者は資産を海外シフトし国債利回りが上昇
                日銀は財政赤字のマネタイズを余儀なくされインフレ期待が台頭
                円は下落し国債利回りは急上昇

積極政策型シナリオでは、高齢層を代表する国会の選挙改革が進む
                インフレ論が強まり、日銀は政府に金融緩和を促される
                日銀は見返り条件として、社会給付抑制と生産性改善策と
                そのための歳出適正配分を政府に求める
                生産性上昇により、経常黒字はしばらく続きやや利回り上昇
                するも財政の持続可能化でインフレ環境下円は下落する
                しかし国債利回り上昇と円の下落は、慎重型より緩やか

ということで、いずれの場合においてもまず円の下落が始まり、国債の利回りが次いで上昇する。

このようなシナリオとなっているわけですが、現状では金融市場は欧州の財政不安と米国の
債務上限問題に焦点が行っているので日本の現状に関心を傾ける余裕はなく
しばらくリスク回避所となっているのではないでしょうか。

そのうち欧米の景気回復とともに、日本も復興プラス好況の足音で、良い金利の上昇と
称する羊の仮面を被った悪い金利の上昇が始まり、市場が盛り上がりの様相を呈した
場面で上記の慎重政策シナリオが本命となりそうな気配を感じます。

私見では、しばらく慎重型シナリオができるだけ長く引っ張って最後に積極型シナリオに
急変するような予想が浮かんできます。

                
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