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日本の長期金利 [経済]

みずほ証券エコノミストの高田創氏、柴崎健氏が過去2回あった国債金利
1%割れの超低金利が反転し、急上昇した時の要因を分析しています。
以下のように、説明しています。

■1998年と2003年における金利急上昇の要因
1998年
(1)財政政策の180度の転換と財政規律への不安
(2)国債管理政策への不信
(3)ムーディーズによる国債格下げ
(4)海外の景気回復局面と重なった
(5)1998年半ばの過度な金利低下の反動
(6)当時は主に銀行が10年長期国債を中心に国債を保有していた

2003年
(1)日本の金融不安の後退
(2)2003年半ばの過度な金利低下の反動
(3)リスク管理の強化
(4)海外の大幅な金利上昇転換
(5)長期・超長期保有投資家層の不在
(6)国内における景気回復局面と重なった
(7)新興国ブームによる先行き改善期待

そして、2010年秋に円高進行とともに再び日本国債の長期金利は1%割れとなりました。
今回は、世界的にも先進国で金利低下が進んでいますが日本に関する限り、
両氏の解説では次のような見通しが、新刊本で述べられているようです。

1.国の財政発散シナリオだが、国際収支の黒字が当面の間続き、余剰資金流入が
  あるので民間金融機関などによる国債引受け能力はまだある。
  しかし、銀行、家計共に財政健全化に不信をもちキャピタルフライトの可能性が
  ある。
2.国内投資家の同質性、横並び意識が強く財政再建期待を共有している。
  また、日銀が財政支援を行わず独立を維持するという信認も共有している。
3.民間の投資需要不足でホームバイアスのかかっている銀行は、海外向けの
  チャレンジ投資より日本の国債引受けに意欲強い。
  名目金利が低くてもリスク調整後の収益率は、それほど悪い投資ではなく
  利食いのメリットもこれまで享受してきた。

簡単にまとめると、このようなものでしょうか。
従って、以上の状況や環境が反転した時、第三回目の金利上昇があるということ
になるのでしょうけど、今回もすでに結構急速な反転金利上昇が数ヶ月見られ
ます。
今のところ、マーケットでは米国金利の上昇に引っ張られ、また円高一服とともに
日本の金利も上昇していると見ているようです。
ここから先は、上にいくか下にいくか見通しも分かれている感じです。

いずれにせよ、日本の経済は世界への連鎖経済に大きく影響を受け、特に米中の
経済環境に多く左右される状況になっているように思います。
そして、世界中の経済状態に不均衡が累積するとバブルが弾けるごとくまた、不安定
な世の中が生まれるのかもしれません。

それを乗り越えていくのは、ひとえに各国の政治の力であり、国際協調ということなのでは
と考えますが、そう簡単に行かないのが世の常、まだまだこれからも紆余曲折がある
のでしょう。

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